こんにちは、マルコ☆ボーロです!
前回では明治工芸のざっくりとした流れについて書きました。
今回はその続きです〜本日もよろしくお付き合いください!
明治工芸への熱視線
近年、三井記念美術館『超絶技巧!明治工芸の粋(2014年)』展やあべのハルカス美術館での『驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ(2019年)』の開催から見られるように、明治工芸が広く注目され、その魅力が再発見されてきています。
長らくの間、明治工芸は「西洋趣味に迎合したもの」として適切な評価をされていなかったので、研究する人、機会も少なく日の目をみませんでした。明治工芸以前、以後の展示はたくさんあるのですが、明治の工芸にスポットがあたった展示は近年まで無いに等しかったのです。
しかしそれは優れた明治工芸のほとんどが海外に流出しており、日本で目にする機会が極端に少なかったためです。
クオリティの高い明治工芸が数多くある海外ではその緻密さや美しさ、人の手とは思えない超絶技巧が高く評価され日本とは桁違いの価格で取引されているようです。
日本で生み出されたものなのに海外でないと質の高いものを見られないというのは皮肉なことです。
では日本ではもう気軽に明治工芸に触れることはできないのか…
展覧会も数年に一度ペースだし、海外なんてそんな頻繁に行けないし…
というそこのあなた!
「あきらめないで!」
実は幕末・明治の工芸を常設展示する美術館があるのです。
幕末・明治工芸の聖地 清水三年坂美術館
工芸を語る上で外せない場所、それが清水三年坂美術館(京都・東山区)だと私は思います。
ここは、館長の村田理如(むらたまさゆき)さんが幕末・明治工芸に魅せられ、おおよそ30年かけて集めてきたコレクションを展示している美術館です。
村田さんは海外のオークションで、流出した日本の工芸品を買い戻し、それらを美術館に常設展示して一般に公開し、その魅力を普及する活動をされています。
国宝級のお宝が800円(一般料金)で見れるのです。
私はここを訪れるたびに思います、「村田さん、ありがとうございます!!」と。
清水寺や高台寺も近いですし、観光等で周辺を訪れた際にはぜひ行ってみてください。
ため息の出るくらいの逸品を目にすることができるでしょう。
今日のまとめ & 感想
明治工芸について調べれば調べるほど奥が深くとても書ききれないくらいの魅力がたくさんあります。
拙い文章ですがこれから少しずつ明治工芸、そしてその他の時代の工芸の魅力や技法などについてもご紹介していければと思っています。
こうして私たちが美術工芸品を目の当たりにできるのも、それらを守る為にご尽力されている方々がいるからであって、そう思いながら作品をみると本当にありがたいことだなぁとしみじみ感じ入る今日この頃です。
ではまた!
【参考文献】
・「明治工芸入門」ー村田 理如 著
・「明治150年展 明治の日本と工芸」ー京都国立近代美術館図録
価格:5,500円 |